Apr 09, 2011

飲むならウォーターサーバー

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 震災の影響で提供が自粛されていた「Internet Explorer(IE)9」の正式提供が開始された。IE 9はIE 8で培ったセキュリティをさらに強化した次世代Webブラウザである。そして、「Windows 7 Service Pack(SP)1」と組み合わせて利用することで、より高い安全性を実現する。本稿では社内にある大量のコンピュータにIE 9を効率よく展開する方法を解説する。

【詳細画像を含む記事】

企業がIE 9を導入するメリット

 2011年4月26日、マイクロソフトが無償で提供するWebブラウザの最新版である「Internet Explorer 9」(以下、IE 9)の提供が正式に開始された。

 IE 9は、Web標準団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が定めた「HTML5」や「CSS3」などの最新のWeb仕様に対応し、ハードウェア性能を最大限に活用した高速なWebページの読み込みや描画など、ユーザーにとって魅力的な機能が数多く実装されている。操作性も大幅に向上し、Windows 7のユーザーインタフェースに最適化され、「ピン留め」「ジャンプリスト」といった機能に統合されたことで、より直感的に操作できるようになった。

 また、システム管理者の気になるセキュリティ対策についても、さらに強化されている。偽装されたWebサイトや、悪意のあるプログラムを検出すると適切な対処方法を支援してくれる「SmartScreenフィルター」や、Webサイトを閲覧した行動を収集し、その情報を流出させる動作を防止する「追跡防止機能」などを搭載する。IE 9の詳細に関しては、以下のWebサイトも参考にしてほしい。

【参考】Internet Explorer ホーム
[URL]http://windows.microsoft.com/ja-JP/internet-explorer/products/ie/home

効率のよいIE 9の展開について
IE 9の展開方法を計画する

 企業内でIE 9を展開する場合、以下のように7つの方法から選択することができる。

(1)Windows Update
(2)IE 9インストーラー
(3)Windows Server Update Services(WUSU)
(4)OS統合イメージ
(5)Active Directoryドメインでグループポリシーを使用する
(6)Windows展開サービス
(7)Windows自動展開ツール

 (1)と(2)は、比較的小規模な企業/組織内で用いられる方法になるだろう。旧バージョンのWebブラウザがインストールされている場合には、アップグレードされ、これまでの設定をそのまま引き継ぐことができる。ただし、5月31日現在、「Windows Update」からの配布は開始されていない。IE 9のスタンドアロンインストーラーは次のWebサイトからダウンロードすることができる。

【参考】Internet Explorer 9のダウンロード
[URL]http://windows.microsoft.com/ja-JP/internet-explorer/downloads/ie-9/worldwide-languages

 (3)はWindows Server 2008 R2などに標準搭載されている「Windows Sever Update Services」(以下、WSUS)を使用する方法である。Active Directoryドメインを構築した環境でコンピュータを管理している場合、WSUSを使用してIE 9を展開することができる。ただし、WSUSで展開可能な「IE 9インストーラー」は現在のところ提供されていない。そのため、「Windows Updateカタログ」Webサイトで配布されているIE 9更新プログラムをWSUSにインポートする必要がある。

 (4)は「Windows自動インストールキット(Windows AIK)」(以下、WAIK)を使用して、OSのインストールイメージにIE 9を統合する方法である。

 (5)はグループポリシーの「ソフトウェアインストール」機能を使用してIE 9を展開する方法だ。Active Directoryドメインを構築した環境でコンピュータを管理している場合には有用な方法だろう。ただし、「Internet Explorer Administrator Kit 9」(以下、IEAK)を使用して、「Windowsインストーラーパッケージ」(拡張子が.msi)を作成する必要がある。

 (6)はWindows Server 2008 R2などに標準搭載されている「Windows展開サービス」を使用して、(4)で作成したインストールイメージを自動展開する方法だ。

 (7)はマイクロソフトが無償提供している、Windows自動展開ツールである「Microsoft Deployment Toolkit」(以下、MDT)を使用する方法だ。MDTを使用するとWindowsを展開する際に、IE 9を更新プログラムとして追加インストールすることができる。MDTはWindows OSの新規インストールやアップグレードを実行できるたけでなく、ユーザー情報の移行もサポートしている。OS以外にも、「デバイスドライバ」や「更新プログラム」「Office」などのアプリケーションを展開することも可能だ。現在の最新バージョンは「MDT 2010 Update1」となっている。

【参考】Microsoft Deployment Toolkit
[URL]http://technet.microsoft.com/ja-jp/solutionaccelerators/dd407791.aspx

 また、WSUSの構築方法などに関しては、以下の記事も参考にしてほしい。

【参考】Windows 7 SP1を効率よく社内展開するには
[URL]http://www.computerworld.jp/topics/mws/191322.html
[URL]http://www.computerworld.jp/topics/mws/191359.html


 本稿では比較的簡単に環境を構築できるWSUSを使用する方法、およびカスタマイズしたIE 9を展開できるグループポリシーを使用した方法を解説する。


IE 9を展開するために必要な条件
IE 9のインストールに必要なシステム要件

 下記の表1は、IE 9をコンピュータにインストールするためのシステム要件だ。

表1:IE 9のシステム要件

 IE 9の日本語版は、本体である「Internet Explorer 9」と、言語ファイルの「Internet Explorer 9 ja-jp Language Pac」で構成される。また、事前に「Microsoft Windows(KB2454826)の更新プログラム」がインストールされている必要がある。

 IE 9のインストーラーを実行すると、インストール条件の確認がおこなわれる。更新プログラムの適用が必要な場合には、ダウンロードしてインストールされる。インストール条件が整うと、IE 9のインストールが開始される。この修正プログラムはインストールが完了すると、コンピュータを自動的に再起動しようとするため、業務中のインストールについては注意が必要だ。

 「KB2454826」は、以下のWebサイトからダウンロードが可能である。なお、Windows 7 SP1には、すでに当該更新プログラムが含まれているので適用する必要はない。

【ダウンロード】Windows 7用の更新プログラム(KB2454826)(x86ベースシステム用)
[URL]http://www.microsoft.com/downloads/ja-jp/details.aspx?FamilyID=ddafd2cb-022c-4235-a644-426ae6b6d36f&displayLang=ja

 また、IE 9のシステム要件については、以下のWebサイトも参考にしてほしい。

【参考】Windows Internet Explorer の使用について
[URL]http://support.microsoft.com/kb/982861/ja


 ここからは、WSUSおよびADドメインのグループポリシーを使用したIE 9の展開手順を解説する。なお、Windows Server 2008 R2 SP1、Active Directoryドメイン、WSUS3.0 SP2はすでに構築済みであるものとする。

WSUSを使用したIE 9の展開手順

 それでは、WSUSを使用したIE 9の展開について解説しよう。組織内のコンピュータにWSUSを使用している場合は、更新プログラムの一部としてIE 9を展開することができる。WSUSを使用してIE 9を展開するには、次の2つの方法がある。

・WSUSとマイクロソフトのWindows Updateサーバサイトを同期する
・Windows Updateカタログサイトから更新プログラムをダウンロードする

 本稿執筆時は、IE 9が更新プログラムとして登録されていなかったため、残念ながら前者の方法を使用することができなかった。現在は登録されているので使用可能だが、具体的な手順は別の機会に紹介したい。

 Windows Updateサーバサイトに登録されると、「製品とクラス」で更新プログラムを同期する製品にIE 9を追加することができるようになる。IE 9を追加するには、「サーバーマネージャー」の「Windows Server Update Services」から「Update Services」→「オプション」を選択する。中央ペインに表示される「製品とクラス」をクリックすると、画面1のようなダイアログボックスが表示され、更新プログラムを同期する製品の一覧が表示される。

画面1:WSUSの「更新プログラムを同期する製品」

 「すべての製品」の中から「Windows」を表示させると、その一覧の中にIE 7およびIE 8のインストーラを確認できる。追加されたIE 9のインストーラーを選択して適用したのちに、サーバーマネージャーの「Windows Server Update Services」→「Update Services」→「同期」のコンテキストメニューから「いますぐ同期」を選択すると、IE 9のインストーラーがダウンロードされて、WSUSから展開できるようになる。

 「製品とクラス」から展開したい更新プログラムを追加する以外に、「Windows Updateカタログ」Webサイトで提供されている更新プログラムを追加する方法がある。これには「更新のインポート」を使用する。「更新のインポート」は、サーバーマネージャーの「Windows Server Update Services」→「Update Services」を選択して右クリックして「更新のインポート」を選択する。すると、画面2のように「Windows Update カタログ」Webサイトが表示される。初めてこのWebサイトを表示させた場合には、アドオンのインストールを求められるので必ずインストールしておこう。


画面2:「Windows Update カタログ」Webサイト

 次に、Windows 7用のIE 9更新プログラムを表示させるために、検索ボックスに「Windows 7 Internet Explorer 9」と入力して「検索」をクリックする。すると、検索結果が表示され、一覧の中に「Windows 7用 Internet Explorer 9」と「Windows 7用Windows Internet Explorer 9言語パック」が表示されるはずだ。それぞれのタイトル右側に表示されている「追加」をクリックすると、検索ボックスの下に表示されている「バスケットの表示」に「(2)」と表示される(画面3)。


画面3:「Windows 7 Internet Explorer 9」で検索した検索結果一覧

 その状態で、「バスケットの表示」をクリックすると、「バスケットに入っている更新プログラム」が表示され、2つの更新プログラムを選択したことが確認できる。これで、WSUSにIE 9の更新プログラムをインポートする準備が整った。画面4のように画面右中央に「直接インポート Windows Server Update Services」という項目が確認できる。左側にあるチェックボックスにチェックが入っていることを確認したら、「インポート」をクリックしてインポートを開始させよう。


画面4:「バスケットに入っている更新プログラム」と「インポート」ボタン

 まず、「Windows 7用Windows Internet Explorer 9」の「マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項」が表示されるので「同意します」をクリックして使用許諾を完了させる。すると、「インポートの進行状況」が表示され、インポートが開始される。画面5のように「インポートの完了」が表示されたら、「閉じる」をクリックして終了する。


画面5:「インポートの完了」の画面

 これで、2つの更新プログラムのインポートが完了した。サーバーマネージャーの「Windows Server Update Services」→「Update Services」→「更新」→「すべての更新プログラム」を選択する。中央ペインの上部の「承認」メニューを「未承認」に、「状態」メニューを「すべて」に変更して「最新の情報に更新」をクリックする。すると、更新プログラムの一覧に「Windows 7用Windows Internet Explorer 9」と「Windows 7用Windows Internet Explorer 9言語パック」が表示される(画面6)。


画面6:「すべての更新プログラム」に表示された「Windows Updateカタログ」WebサイトからインポートされたIE 9の更新プログラム

 あとは、この2つの更新プログラムをコンピュータに展開すればよい。展開する手順については、以下のWebサイトを参考にしてほしい。

【参考】Windows 7 SP1を効率よく社内展開するには[後編]
[URL]http://www.computerworld.jp/topics/mws/191359.html

Active Directoryドメインのグループポリシーを使用した展開

 次に、Active Directoryドメインのグループポリシーを使用したIE 9の展開について解説する。

 Active Directoryドメインを構築した環境では、グループポリシーの「ソフトウェア インストール」を使用してIE 9を展開できる。展開するには、「Windowsインストーラーパッケージ」を用意する必要がある。

 だが、Webサイトで配布されているIE 9のインストーラーはその形式ではないため、IEAK 9を使用して「Windowsインストーラーパッケージ」を作成する必要がある(図1)。詳細については以下のWebサイトを参考にしていただきたい。

【参考】Internet Explorer管理者キット 9(IEAK 9)のリリースに関するドキュメント
[URL]http://technet.microsoft.com/ja-jp/ie/gg615601

図1:IEAK9の使用イメージ

IEAKとは?

 IEAK 9は「Internet Explorerカスタマイズウィザード 9」(以下、IEカスタマイズウィザード 9)と「IEAKプロファイルマネージャー」の2つのツールで構成される。

 IEカスタマイズウィザード 9は、カスタマイズしたIE 9のインストーラーを作成するツールだ。お気に入りや組織内の基準に従ったセキュリティの設定など、さまざまな設定を適用した「カスタマイズインストーラー」を作成できる。

 そのほか、すでに導入されたIE 9の設定だけを変更するインストーラーを作成することも可能だ。IEカスタマイズウィザード 9を使用して作成できるインストーラーには「Windows インストーラーパッケージ」と「実行ファイル」(拡張子が.exe)の2種類がある。

 IEカスタマイズウィザード 9には、以下の3種類のバージョンが存在する。

・「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」用
・「コンテンツプロバイダ(ICP)」用
・「企業内管理者(Corporate)」用

 どのバージョンを使用するかはIEAK 9をインストールするときに選択できる。バージョンによってカスタマイズできる項目に違いがあるので、以下のWebサイトを参考にして、自分の環境に適切なバージョンを使用してほしい。

【参考】よく寄せられる質問(FAQ):Internet Explorer 管理者キット 9(IEAK 9)
[URL]http://technet.microsoft.com/ja-jp/ie/gg615602


 また、IEAKプロファイルマネージャーを使用すると「自動構成ファイル」(拡張子が.ins)を直接編集することができる。自動構成ファイルとは、 IEカスタマイズウィザード 9を使用してカスタマイズした設定情報だ。例えば、このファイルを部署ごとに用意することで、複数の環境を管理することができる。

 IEAK 9の主な機能について、表2にまとめてみた。詳細については以下のWebサイトを参考にしていただきたい。

【参考】IEAK 9を使うにあたって
[URL]http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/gg598583.aspx


表2:IEAK 9の主な機能と特徴

IEAK 9のインストールと使用方法

 IEAK 9は以下のWebサイトからダウンロードすることができる。

【ダウンロード】Internet Explorer管理者キット 技術情報とダウンロード
[URL]http://technet.microsoft.com/ja-jp/ie/bb219517


 IEAK 9をインストールするには、事前にIE 9がインストールされている必要がある。そのため、インターネット接続は必須だ。IEAK 9をインストールするために必要な環境は表3のとおり。


表3:IEAK 9のインストール要件

IEAK 9のインストール

 ここからは、IEAK 9のインストール手順および使用方法を解説する。IEAK 9のインストールは、ウィザードの指示に従って進めるだけでよい。今回は組織内にIE 9を展開するため、途中で表示される画面7の「ライセンスの種類の選択」では「企業のイントラネットを通じて内部に配布」を選択する。


画面7:「ライセンスの種類の選択」画面

 インストールが完了したら、スタートメニュー→「すべてのプログラム」の中に「Windows IEAK 9」フォルダが追加される。フォルダには「Internet Explorer カスタマイズウィザード 9」「IEAK プロファイル マネージャー」の2つのツールと「IEAKヘルプ」が確認できる(画面8)。


画面8:インストールされた「IEAK 9」には2つのツールとヘルプが確認できる

Windowsインストーラーパッケージの作成

 IEカスタマイズ ウィザード 9を使用して、Windowsインストーラーパッケージを作成する。ここで作成したパッケージを、あとでグループポリシーを使用して配布する。

 「スタートボタン」→「すべてのプログラム」→「Windows IEAK 9」から「Internet Explorer カスタマイズ ウィザード 9」を選択する。ウィザードはインストール時に選択した「企業バージョン」で開始されるので、指示に従って進めていこう。途中表示される、画面9の「ファイルの場所」は「カスタマイズインストーラー」や「自動構成ファイル」などが保存される場所となる。既定では「C:¥builds¥<IEAK 9インストールの日付>」と設定される。このフォルダの下に自動構成ファイルが格納される「INS」フォルダや、インストーラーの種類に応じたフォルダが作成される。

■作成されるフォルダとインストーラーの種類
 CD:CD-ROM(自動実行プログラム付き)インストーラー
 FLAT:IE 9カスタマイズインストーラー
 BrndOnly:IE 9設定変更インストーラー


画面9:カスタマイズされたIE 9インストーラーの保存場所の指定画面

 「プラットフォームの選択」では「対象のプラットフォーム」のプルダウンメニューから「Windows 7またはServer 2008 R2(x86ベース)」を選択して、「言語の選択」では「日本語」を選択する。「メディアの選択」では、IE 9のインストーラーを作成するので、「ファイル」にのみチェックすればよい。「機能の選択」では、カスタマイズできるカテゴリが表示されるので、カスタマイズしたい項目にチェックしてウィザードを進める。カスタマイズできるカテゴリには以下のようなものがある。

・セットアップのカスタマイズ:IE 9のインストール中に追加することができる「カスタム コンポーネント」の設定をおこなえる。例えば、Webコンテンツを再生できる「Silverlight」などを一緒にインストールすることができる(画面10)
・企業用インストール:インストール中に更新プログラムを適用したり、既定のブラウザーの設定やインストール方法などの設定が行える
・接続マネージャー:「接続マネージャー管理キット」で作成された「CMAKプロファイル」を使用したい場合、ここで設定する
・ブラウザーのユーザーインターフェース:「タイトルバー」のカスタマイズなどの設定が行える
・検索プロバイダー:「検索プロバイダー」の追加やインポートなどの設定がおこなえる
・重要なURL − ホームページとサポート:「ホームページ」の追加になどの設定、初回実行ウィザードの有無の設定が行える
・アクセラレータ:アクセラレータを追加することができる

 このほかにも、ウィザード中には「お気に入り」の設定や「互換表示」に関する設定などを行うことができる

画面10:「カスタムコンポーネント」で「Silverlight」を追加した例で、コマンドのパラメータに「/q」を指定するとサイレントインストールされる

 途中表示される「自動バージョン同期」では展開に使用するIE 9インストーラーをダウンロードする。「同期」をクリックしてダウンロードを完了させたら、「次へ」をクリックして各カテゴリの設定を進めていく。

 すべての設定が完了すると「ウィザードの完了」が表示されるので、「次へ」をクリックする。すると「カスタマイズインストーラー」の作成が開始される。作成が完了すると「完了」が表示されるので、これをクリックしてウィザードを終了しよう。

 作成された「カスタマイズインストーラー」には「IE 9-Setup-Full.msi」と「IE9-Setup-Full.exe」が含まれている。

 以上で、「Windows インストーラーパッケージ」の作成は完成だ。展開に使用する「Windowsインストーラーパッケージ」の「IE9-Setup-Full.msi」は、展開先のコンピュータから参照できるようにする必要があるため、事前に共有フォルダにコピーしておく。


Active Directoryドメインのグループポリシーの設定

 今回は、作成したカスタマイズパッケージをインストールするために、Active Directoryドメインのグループポリシーを使用する。インストールのタイミングはグループポリシー適用のタイミングと同時であり、「コンピュータの起動時」または「ユーザーのログオン時」のいずれかとなる。エンドユーザーにストレスを与えないようにするには「コンピュータの起動時」にインストールするのがよいだろう。

 Active Directoryドメインのグループポリシーを編集するには、サーバーマネージャーの「機能」→「グループポリシーの管理」→「フォレスト」→「ドメイン」→「ドメイン名」→「Default Domain Policy」のコンテキストメニューから「編集」を選択して、「グループポリシー管理エディター」を起動する(画面11)。


画面11:「グループポリシー管理エディター」(コンピュータの構成/ソフトウェア インストール)を使って、IE 9を展開する準備を行う

 グループポリシー管理エディターでは、以下のポリシー項目を編集する。

「コンピュータの構成」→「ポリシー」→「ソフトウェアの設定」
・ソフトウェアインストール

 「ソフトウェアインストール」を右クリックして「新規作成」→「パッケージ」を選択する。「開く」ダイアログボックスが表示されたら、「IE9- Setup-Full.msi」を選択して「開く」をクリックする。なお、ファイルはすべてのコンピュータから参照できるようにするため、以下のように UNC名で指定する(画面12の赤枠部分)。

¥¥<サーバ名>¥<共有名>¥IE9-Setup-Fll.msi


画面12:青枠部分の記述では、ネットワーク上のコンピュータからファイルを参照することができない

 続いて、「ソフトウェアの展開方法」ダイアログボックスが表示されるので、「割り当て」を選択して「OK」をクリックする。これで、IE 9の「パッケージ」登録が完了した(画面13)。


画面13:「ソフトウェアインストール」に追加されたパッケージの「IE 9カスタマイズインストーラー」

 登録されたパッケージの「名前」などは、「パッケージ」の「プロパティ」から変更できる。「プロパティ」を表示させるには、「パッケージ」を右クリックして「プロパティ」を選択すればよい。これで、IE 9の展開の準備は完了だ。


グループポリシーを使用したIE 9の展開

 展開先のコンピュータを起動すると、OS起動中にグループポリシーが適用されてIE 9がインストールされる。ユーザーがコンピュータにログオンすると、すでにIE 9が使用できる状態になっているはずだ。

 なお、ユーザーがログオンしたときにIE 9をインストールしたい場合は、「ユーザーの構成」の「ソフトウェアインストール」を編集すればよい(画面14)。


画面14:「グループポリシー管理エディター」(ユーザーの構成/ソフトウェアインストール)を編集するとログオン時にIE 9がインストールされる

 「コンピュータの構成」の「ソフトウェアインストール」で行った手順と同様、「ソフトウェアの展開方法」を「割り当て」に設定して「パッケージ」の登録を行う。

 「パッケージ」の「プロパティ」で「展開」タブを選択する。画面15の「展開オプション」で「ログオン時にこのアプリケーションをインストールする」にチェックをいれて「適用」をクリックする。これで、ユーザーがコンピュータにログオンしたときに、IE 9のインストールが行われる。


画面15:パッケージをログオン時にインストールする設定項目

 このほかにも、ユーザー自身が手動でインストールを開始する方法もある。これも、「ユーザーの構成」の「ソフトウェアインストール」を編集する。「パッケージ」を登録する際に、「ソフトウェアの展開方法」を「公開」に設定すればよい(画面16)。


画面16:「ソフトウェアの展開方法」を「公開」にすると、公開したソフトウェアはユーザーが任意でインストールすることができる

 「公開」として登録された「パッケージ」は、「コントロールパネル」→「プログラムと機能」をクリックし、左ペインに表示されている「ネットワークからプログラムをインストール」をクリックすれば表示される(画面17)。


画面17:「パッケージ」を「公開」として設定すると、コンピュータに「ネットワークからプログラムをインストール」という機能が追加される

 パッケージを選択してインストールをクリックすれば、インストールが開始される(画面18)。


画面18:「ネットワークからプログラムをインストール」に表示された、ADドメインのグループポリシー、「ソフトウェアインストール」で「公開」されたソフトウェア一覧

 IE 9を一部の検証グループのみに配布したい場合には、OU(組織単位)を作成するとよい。OUに対してグループポリシーを適用すれば、OUに所属しているコンピュータ(またはユーザー)のみにIEがインストールされる。

本稿では、WSUSとActive Directoryドメインのグループポリシーを使用したIE 9の展開を紹介した。どちらの方法も適用処理を一元管理できるので、システム管理者の負荷を大幅にすることができる。

 IE 9は機能やセキュリティが大幅に向上しただけではなく、省電力に貢献できるWebブラウザでもある。米国マイクロソフトのIE公式ブログである「ieblog」で、Webブラウザの消費電力に関する情報を公開している。ほかのWebブラウザと比較して、最も消費電力が少ないという結果が報告されている。

【参考】Browser Power Consumption?Leading the Industry with Internet Explorer 9
[URL]http://blogs.msdn.com/b/ie/archive/2011/03/28/browser-power-consumption-leading-the-industry-with-internet-explorer-9.aspx

 今年は非常に厳しい電力事情を抱えた夏を迎えようとしている。“エコ”の観点から見ても導入する価値があると考えられる。この機会にIE 9の導入を検討してみてはいかがだろうか。

【コラム】IE 9のインストールを禁止する

「Internet Explorer 9 Blocker Tool Kit」を使用した適用禁止方法

 業務用Webアプリケーションの動作検証が行われていないなどの理由から、IE 9の導入を禁止したい場合がある。そのような場合は「Internet Explorer 9 Blocker Tool Kit」(以下、Blocker Toolkit)を使用するとよいだろう。

 Blocker Toolkitは「Windows Update」によるIE 9の自動更新をブロックするためのツールキットだ。このツールキットを使用すると、自動更新を禁止するレジストリキーが作成される。Blocker Toolkitは、次のWebサイトからダウンロード可能だ。

【ダウンロード】Toolkit to Disable Automatic Delivery of Internet Explorer 9
[URL]http://www.microsoft.com/downloads/en/details.aspx?FamilyID=a6169467-b793-4d17-837d-01776bf2bea4&displaylang=en

 Blocker Tool Kit には、以下のツールが含まれる。

(1)スクリプト(ファイル名:IE9_Blocker.cmd)
 実行時に使用できるオプション:ブロックする「B」、ブロックを解除する「U」

(2)AMDテンプレート(ファイル名:IE9_Blocker.adm)

 (1)の「IE9_Blocker.cmd」は対象となるコンピュータ名を指定して実行すると、レジストリにIE 9の自動展開をブロックするためのレジストリキーが作成される。ブロックするには「IE9_Blocker.cmd <コンピュータ名> /B」と実行する。作成されるレジストリキーは次のとおりだ。

HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥Microsoft¥Internet Explorer¥Setup¥9.0¥DoNotAllowIE90
・値のデータが「1」の場合ブロックが有効
・値のデータが「0」の場合ブロックを無効

 作成されたレジストリキーを削除したい場合は「IE9_Blocker.cmd <コンピュータ名> /U」を実行すればよい。

 (2)の「ADMテンプレート」は、グループポリシーで使用されるテンプレートになる。「グループポリシー管理エディター」などで、テンプレートを追加して使用する。

 Windows Server 2008 R2のActive Directoryドメインコントローラの場合、「Microsoft管理コンソール(MMC)」から「グループポリシー管理エディター」スナップインを起動する。

 左ペインから「コンピュータの構成」→「ポリシー」→「管理用テンプレート」を右クリックして「テンプレートの追加と削除」を選択する。

 「テンプレートの追加と削除」ダイアログボックスが表示されるので、「追加」をクリックする。「ポリシーテンプレート」ダイアログボックスが表示されたら、追加するテンプレートの保存場所を開き「IE9_Blocker.adm」を選択して「開く」をクリックする。

 「コンピュータの構成」→「ポリシー」→「管理用テンプレート」に「従来の管理用テンプレート(ADM)」という項目が追加され、「Windows Components」→「Windows Update」→「Automatic Updates Blockers v3」→「Do not allow delivery of Internet Explorer 9 through Automatic Updates」というグループポリシーが追加される。

 ここでグループポリシーの構成を「有効」にすれば、ブロックが有効になる。ブロックを解除したい場合は構成を「無効」にすればよい。

(林 智久/株式会社エフシーケー)
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